カラー

有名な“裏切りの色”は黄色、でもアジアでは神聖で高貴な色です

投稿日 2019年05月28日

砂地にロープとハート

 

今週の日曜日6月2日は“裏切りの日”です。記念日というのは数あれど、大体が前向きで、希望が持てるようなものだったり、歴史の中で大きな発展を遂げたものを記念して制定されると思っていましたが、こんな“負”の記念日もあるんですね納得顔

 

1582(天正10)年のこの日、歴史上有名な「本能寺の変」が起こり、織田信長が明智光秀に裏切られて攻められ、本能寺で自害したことに由来します。

 

中国の毛利攻めに苦戦していた羽柴秀吉の応援を命じられた明智光秀は、進軍の途中で道を変更し、本能寺の織田信長を襲いました。襲撃を知った信長は近侍の森蘭丸に誰の襲撃かを尋ね、光秀と聴くと「是非もなし(仕方ない)」と応えて自害したと、『信長公記開いた本』に伝えられています。

 

「仕方ない」と応えたということは、思い当るところがあったのでしょうか?普通は思わぬ人に裏切られたら「嘘だ!」とか「なんだと!」などと反応し、信じられないと思うのですが…。

 

なぜ光秀は裏切ったのか、色々言われていますが、有名なのは「怨恨説」です。皆の前で鉄扇で信長に叩かれたとか、信長の違約によって人質に出していた母が殺されたとか。また、現在の領地を取り上げられ、まだ未征服であった出雲・石見への国替えを命じられたといったことで、光秀の怒りが爆発爆発したといった話は広く信じられてきました。

 

他には光秀の「野望説」です。光秀も天下を狙っていたというものですが、光秀が本当に天下を狙っていたとすれば、信長がわずかな手勢で本能寺に向かった“あの時”はまたとないチャンスだったのは確かですね。

 

そして、近年、もっとも多く言われているのが「黒幕説」です。秀吉が黒幕だとか、足利義昭が黒幕だとか、家康が黒幕などいろいろ言われてきました。いずれにせよ真相は分からずじまいで、ドラマや映画、漫画などでもいろいろな説を元に製作されていますが、すべては想像のお話になります。

 

日本で“裏切りの色”といえば、嫉妬などの感情も伴うことが多いのでメラメラ炎と炎が燃えるような“赤”がまず上がるでしょうか(信長が最後に本能寺に火をはなったことからもイメージされますね)、他には“負”のイメージからどす黒いような“グレー”でしょう。

 

ところが欧米では“裏切りの色”といえば“黄色”なのです。キリスト教の宗教画を多く描いた中世の画家絵具のパレットたちは裏切者のユダに黄色の服を着せて描きました。“黄色”には良くないイメージがわりとあって、「卑怯で、臆病な」とか「破廉恥で、無節操」などを表すとも言われています。
そこから“黄色人種”への差別があるなどという人もいますが、それはちょっと極論のような気がします。欧米でも「太陽の色」「明るい陽射しの色」「実りの色」など黄色に良いイメージもありますので、誤解のないように。

 

これがアジアになると大きく変わって、インドでは「太陽の黄金色黄色い太陽として珍重され、神聖な法衣の色に使われます。中国では宋から清の時代まで、黄色は皇帝・皇位を表す色として尊ばれ、皇帝以外の使用が制限されました。

 

日本でも黄色は天皇や皇太子といった皇族が着用する服色として、臣下の者や下位の地位にある者がみだりに着用することが禁じられる色:禁色(きんじき)でした。
・黄丹(おうに)と呼ばれる赤みがかった黄色の色彩は、皇太子が儀式の際に着用する束帯装束にのみ用いられる皇太子専用の服色です。
・黄櫨染(こうろぜん)と呼ばれる茶色がかった黄色の色彩は、天皇が儀式の際に着用する束帯装束にのみ用いられる天皇専用の服色です。

 

先月4月30日、最後の宮中祭祀(さいし)となる「退位礼当日賢所大前の儀」で平成天皇として黄櫨染(こうろぜん)の袍(ほう、儀式などに用いる上衣)を着用されていましたね。テレビで見られた方も多いと思います。
このように、アジアでは“黄色”は神聖で高貴な色なのです。

 

“裏切り”というと悪いことのように思ってしまいますが、「映画やドラマの結末が予想を裏切って、すごく面白かった」などということもあり、悪いことばかりとも限りません。
「想定内のものを超えるいいもの、美しいもの、面白いもの」そういう裏切りならどんどんやっていきたいと思います(難しくてそうそうできませんが…ポロリ

 

皆さんも“裏切りの日”を機会に、ご自身にとっての“裏切り”について思いを巡らせてみるのはいかがでしょうか照れ笑い