カラー

祇園祭の赤は魔よけ、厄除けの色

投稿日 2019年07月09日

祇園祭 提灯

 

私たちの店舗がある京都にいると、7月に入れば祇園祭を意識します。商店街にはコンチキチン祇園囃子(ぎおんばやし)が鳴り始め、提灯提灯なども飾られます。祇園祭は平安時代から1100年以上の歴史を持ち、日本三大祭りの一つとされており、全国でも珍しい1カ月間もあるお祭りです。期間が長いので前半の先祭りと後半の後祭りに分かれていて、それぞれに宵山(よいやま)や山鉾巡行(やまほこじゅんこう)があります。7月1日から色々な所で祇園祭関連の行事が行われますが、やはり多くの人が楽しみにしているのは先祭りの7月15日の宵々山(よいよいやま)と16日の宵山、そしてハイライトと言える17日の山鉾巡行ですね。

 

15、16日の夜は山や鉾が町のいたるところにあり、実際に搭乗できるものもありますし、夜になると、通りに立てられたそれぞれの山鉾に吊られている駒形提灯に火が灯り、コンチキチンと笛や鐘、太鼓で祇園囃子が奏でられます。会所には所蔵品が飾られて間近に鑑賞したりすることができますし、四条通り・烏丸通りは歩行者天国になり、たくさんの夜店が出て町中が賑わいます。

 

もう10年以上前になりますが、私の父が亡くなったのが祇園祭の頃で、お葬式の後の精進落としを新町通りの料亭で行いました。宵々山の日でしたので、通りは多くの人で賑わっていましたが、その中を喪服を着て遺影を持って歩いて行ったので、周りの人の注目を集めてました。本来なら料亭までタクシータクシーで行くのですが、歩行者天国になっているので、少し離れた場所でタクシーを降りて歩かなければならず、ちょっと異様だったと思います。兄の知人のお店でしたので、そこで開催したのですが、斜め向かいぐらいに“船鉾”があり、窓を開けると、コンチキチンの祇園囃子が聞こえてきました。遠方から来てくれた親戚などは「風情があるなあ…」と言っていました。10年以上の長患いの末に他界したので、悲しいという気持ちはあまりなく、「皆に面白いものを見せたり、楽しませることが好きだった父らしい感じで良かったな納得顔」と思ったことを思い出します。

 

山鉾巡行では知人が“函谷鉾”の曳き方を初めてやった時に、カメラマンカメラとして走り回って色んな場所から写真を撮りました。真夏の昼間ですので、大汗水滴をかき、まるですごい運動をして汗をかいた後のような脱力感に襲われた思い出があります。すごく疲れましたがしばらくすると爽快感に変わり不思議な気がしました。その知人は「主役は山や鉾だけど、曳き方の自分までアイドルか何かになったように注目を浴びれて楽しかった」と言っていました。

 

そんな山鉾巡行では、1か所にいるだけで次々と山鉾が通っていくので、少々時間はかかりますが、すべての山鉾を見ることができます。山鉾の種類は舁山(かきやま)、曳山(ひきやま)、船鉾傘鉾の5種類あり、全部で先祭は23基、後祭は10基の計33基です。その全てに緋色(ひいろ)や臙脂(えんじ)と呼ばれるような鮮やかなが使われています。(緋色の毛氈(もうせん)の色が一番近いでしょうか、正式になんと呼ばれている赤なのかは分かりません。)

 

は古代より生命の源である「血血と光や熱の源「日赤い太陽「火焚火に見られる神聖で不思議な力を持つ色でした。体内に口から災厄が入ってこないように厄除けとして唇を赤く色づけたのが、赤い口紅赤い唇の起源とも言われています。神社の鳥居は元々禍々しい災いや悪霊が入って来ないための結界ですが、更にそれを赤くして魔除けの力を強くしています。古代呪術などではとても重要な色がでした。

 

祇園祭は元々疫病や災害を退け平穏な日々を願うお祭で、山鉾巡行は、山鉾を巡行することで京の町の邪気や穢れを清め、祇園祭の主神(八坂神社の神さま)が通る道を作るために行うとされていますので、魔よけ厄払いの色であるが沢山使われるのも当然です。

 

山鉾はその赤をベースにして、美しい刺しゅうや舶来の織物など“懸装品”と呼ばれる装飾品の美しさも見事で、その姿は豪華で美しく「動く美術館」といわれるほどです。懸装品は前掛(まえかけ)、胴掛(どうかけ)、後掛(あとかけ)、水引(みずひき)、見送りと呼ばれる染織品で、いずれも染織の粋を凝らした古今東西の作品です。中にはシルクロードを経て運ばれてきたタペストリーや15世紀のベルギー製絨毯など文化史上に貴重なものも含まれています。日本製ではやはり西陣織です。

 

毎年新しく新調されたり復元されたりする懸装品は話題になりますが、今年は“太子山”の胴掛が243年ぶりに新調されたベトナム刺繍であること、“木賊山”の前掛が新調され、江戸後期のものが復元されたことなどが話題になっています。どの山のどこのことなのか調べて行って、じっくり眺めると、また新しい祇園祭の楽しみ方ができそうですね

 

毎年人込みに負けず、宵々山か宵山に出かけていますが、最近の祇園祭では御朱印集めもできるようです(スタンプラリーのようですが)。まだ何も計画はしていませんが、今年はどんな祇園祭になるか楽しみです

 

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HADAEMI KYOTO 店長 竹村禎子
カラー&イメージコンサルタント
・文部科学省後援 ファッションコーディネート色彩能力検定1級

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・商工会議所認定 カラーコーディネーター検定(ファッション色彩)1級
・文部科学省後援 色彩士2級

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