カラー

日光と色には切っても切れない関係があります

投稿日 2019年07月30日

太陽

 

7月26日は“日光の日”でした。820年、弘法大師が日光山を命名したことに由来します。
元々の山の名前は「ニ荒山(ふたらさん)」といいましたが、弘法大師がこれを「にっこうさん」と読んだことから「日光山」という字になったということです。

私が2年前に日光へ旅行に行った時に「二荒山神社」という石碑のところで「なんて読むんだろう?」と、読めなかった難しい字です。弘法大師が読めなかったぐらいですから私が読めなくて当たり前です納得顔

 

“日光の日”と始めて聞いた時、私はすっかり太陽の光の日光赤い太陽のことだと誤解していました。
日光は農作物小麦の成長、人間の骨の形成、最近では日光浴日光浴がアルツハイマー病、認知症、高血圧、癌、糖尿病、近視、黄斑変性症、多発性硬化症、季節性情動障害(SAD)のリスクを低減するなどという研究もあり、「人間にとってとても大切なものなので“日光の日”というのが制定されたんだな…。」と思っていたのですが違いましたね大泣き

 

ですが、せっかく太陽の日光について思いを馳せたので、この日光についてもう少しお話したいと思います。
以前に「海の色が違って見えるのは3つの原因があります」のブログの中で、少し触れましたが、光がないと色は見えません。

https://www.hadaemi.com/blog/color/2385/

人工の光蛍光灯であれば、どこでも一定の光を放つことができますが、太陽赤い太陽は場所によって、季節によって光の強さなどが変わります。このことが地域によっての色の見え方や色の好みなどに大きく関係します。

 

北海道ではラベンダーラベンダーやライラックライラックなどの花やスズランスズランなどのい花、勿忘草勿忘草など寒色系の花が多く咲き、その清楚な色が北の澄んだ空気によく合っている気がします。
一方、沖縄では真っ赤なハイビスカスハイビスカスや濃いピンクのブーゲンビリアブーゲンビリアなど暖色系の花が多いです。
派手な色なのに沖縄の強い太陽の光の下では美しく輝いて見えます。「花は自分がどこで咲けば一番美しく個性を発揮できるか知っているのだ」という人もいますが、これには科学的な根拠があります。

 

沖縄で赤系の花が美しく見えるのはその花が光の波長の中で赤の部分を反射しているからです。
赤い花が赤々と咲くためには、たくさんの太陽の光、それも赤い光を必要とします。地球上では、赤道に近い地域ほど赤い光が多くなり、緯度がどんどんへ行くほど青や白の光が多く届くようになりますので、北海道では青や白が美しく見えます。この見え方の境は日本アルプス山です。日本アルプスより北は寒色系(青や緑など)、南は暖色系(赤や橙など)が美しく見えます。

 

太平洋側と日本海側でも違いがあって、太平洋側は清色(澄んだ色)、日本海側はグレイッシュな色(渋い色)がきれいに見えます。これは湿度雨粒が違うからで、湿度が高いと空気中の水分で自然光が反射されて拡散します。太平洋側の地域では湿度が夏高冬低なので、冬には自然光がクリアですが、日本海側は一年中高湿なので、自然光が灰色味を帯びる季節が多いです。クリアな自然光は清色を美しく、グレイッシュな自然光はグレイッシュな色を美しく見せます。

 

緯度や気候の差のために、東京東京タワーと大阪通天閣では同じ赤でも違って見えて、東京では澄んだきりっとしたなのに、大阪では鮮やかで膨らみのあるに見えます。このことが東京の人達から見て「大阪は派手な色の服を着る」と言われる所以かもしれません。
自分の育った地域の自然光の色に慣れ親しんだ視覚が色の好き嫌いに影響を及ぼします。人間の色彩感覚は16歳から18歳までに育った地域によって完成されると言われますので、その歳まで大阪で育てば、鮮やかな色が好きになるはずだからです。

 

普段はモノトーンブラウンベージュネイビーなどのベーシックな色の服を好んで着ていても、南国リゾート南の島などに出かけると、急にベーシックな色がつまらなく思えて、鮮やかななどパッと人目を引くような色の服赤いサンドレスが着たくなるのも太陽の光の違いのせいです。

 

他にも太陽の光は瞳の色目にも影響を及ぼします。人によって瞳の色が違うのは、目の中のメラニン色素の量によって決まります。メラニン色素は太陽光線に含まれる紫外線から目を守ってくれる大切な色素です。太陽の光が強い国ではメラニン色素が大量に発生し茶色の瞳(この色の瞳を持つ人が最も多い)になります。反対に弱い国ではメラニン色素の量が少なくなりブルー(メラニン色素が極端に少なく北ヨーロッパに多い)やグレー(ブルーに比べるとメラニン色素は多くロシアやフィンランドに多い)の瞳になりやすいです。

 

メラニンの多い瞳は太陽の強い光に強く、光を通しにくいので、眩しさを感じにくいですし、少ない瞳は光を通しやすく、眩しく感じやすくなります。日本人はあまりサングラスサングラスをかけないですが、欧米人はサングラスをかける人が多いのも、眩しさに耐えられないからなのです。

私には人より瞳の色が明るいライトブラウンの友人がいますが、彼女はやはり5月ぐらいから晴れた日に外に出ると「眩しい!」と言ってサングラスをかけます。私自身は黒に近いダークブラウンの瞳なので、全く眩しいとは感じませんので違うものですね納得顔

 

瞳の色は長い歳月をかけて太陽の光に順応して徐々に変わっていき、人種と考えられるものになりました。例えば北欧の人が日本に移り住んだからといって、しばらくしたら黒っぽい瞳になる…というものではありません。現代のように容易に世界のどの国にでも行けるようになったのは歴史の中で見ればつい最近のことで、昔は自分の生まれた所の近辺にずっと留まっていたので、それぞれの国で瞳の色が定着したのです。この先の遠い未来では瞳の色が人種で違うだけではなく、“何代にも渡り北欧に住んでいる、民族的には純日本人で青い瞳の人”なんかも表れるかもしれませんね

 

このように、日光赤い太陽と色絵具のパレットには非常に密接な関係があるのでした。色の見え方に光は大きな影響を及ぼし、他にも様々なエピソードがありますので、また次の機会にでもお伝えできればと思います照れ笑い

 

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HADAEMI KYOTO 店長 竹村禎子
カラー&イメージコンサルタント
・文部科学省後援 ファッションコーディネート色彩能力検定1級

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・商工会議所認定 カラーコーディネーター検定(ファッション色彩)1級
・文部科学省後援 色彩士2級

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